昔は開腹手術したり場所によって(膀胱内等)は尿道から内視鏡?膀胱鏡?を突っ込んで取ったり・・・・( ̄□ ̄;;といった直接的、物理的な方法か、 自然に排出させると言う方法でしたが、現在ではESWL(体外衝撃波結石破砕術)と言う、音波?の様な激しい衝撃波で石を砕いて小さくして、あとは自然排出させる方法が一般的と思われます。 これは体を切らないのでリスクも少なく石さえ排出されてしまえばもうそれで完治です。 結石は病気でありながら、喉に魚の骨が詰まっただけ・・・のような病気でもあります。 生活改善を行わなければ再発の可能性も高く、開腹するよりも自然排出させる方が体に負担がありません。 今はESWLが普通に保険治療として可能ですので、小さく砕いた上で自然排出が良いでしょうね。 他にも胃の内視鏡手術に使うような物で、ESWLよりももう少し直接的に石を割ってしまう方法もあるようです。 これは膀胱内、膀胱付近に結石がある場合に有効なのだと思います。
病院・症状によっては手術して摘出する場合もあるようです。 結石の場合にどの程度切るのかわかりませんが、一般的には体は切らないで済むなら切らない方がいいようです。 結石の場合再発もよくある事ですし、毎回きって取り除くのは体への負担もかかると思います。 今の外科手術は腹腔鏡手術など開腹手術より楽な物がある時代ですので、そういう手術が可能なら負担は少なくて済むとは思います。 プロである医者が切ると言ってるなら切った方が良いのでしょうけど、 今の一般的治療方法はESWLですから、セカンドオピニオンとしてESWLの設備がある病院での診察もお勧めします。
あと、結石治療に関してもう一つ。
時々『結石は薬で溶かす』
と言われる事がありますが、これは基本的に間違いです。
確かに成分によっては溶けて小さくなり、自然排出に至る物もある様です。
が、最も一般的なカルシウム系結石に関しては、溶かして小さくして落すと言う事ができません。
結石は体外に排出(或いは摘出)されて初めてその成分を分析できます。
薬で溶ける成分タイプの結石がもっともポピュラーであれば、
まず薬で試して変化がなければ破砕と言う方法論が主流となると思いますが、
もっともあり得るのはカルシウム結石ですから、当然破砕術が基本となります。
基本的に良い病院とは、その病気の治療に関して十分な設備がある事と専門の先生がいる事です。 或いは設備や専門の先生がいない病院でも、患者を利益対象の客と考えて何が何でも自社で治療しようとせずに、設備のある病院を紹介してくれる病院が良いです。 つまり選択肢を示して説明してくれる病院が良いと思われます。
昔はESWLの機械を持ってない病院などでは『切る』という方法で自分の病院で治療をしようとしました。 もっと体に負担の無い良い治療を選べるにもかかわらず『自社で切る』と言う判断をする病院はちょっと残念な病院です。 患者の負担、この病気の特性を考えると結石再発の度に切っていては体に負担がかかりすぎます。 今はESWLが普通に保険内治療ですから『まずこのESWLで割る事を試みてどうしても駄目なら切る』と言う選択が、患者にとっては最も有益な方法と思えます。 ただし『結石が大量に詰まって水腎症になって緊急を要する』と言う場合などがありますので、『切る = 悪い病院』ではないですよ。
緊急以外で結石と診断された場合『切る』と言われた場合は、 自分の通える範囲でESWLの設備があり症例を多く経験してる病院を探しましょう。 前述していますがセカンドオピニオンとしてそこで診断を受けるのが得策です。 緊急の場合でも、薬でとりあえず痛みと腎臓の腫れなどを制御できるのであれば、やはりセカンドオピニオンとして 結石破砕を行っている病院で見てもらったほうが良いです。私も初めての結石の時は、腎臓が酷く腫れて緊急の状態でした。 当時ESWLは保険外治療だった為選択しませんでしたが、 『薬を使いながら自然落下でも大丈夫』と言ってくれた先生がいて、結果的にそれで治せました。
この衝撃波とは音波の一種(と思います)で、これを結石に当てる事によって結石を破壊します。 衝撃波は空気中より密度の濃い水中の方がロスも少なくしかも速く進む事ができます。 人間の体は水分が主ですので他の物にぶつからずに結石にぶつかり結石に衝撃を与えてヒビを入れて割っていきます。 この為、結石が尿管を下った運の悪い場所で詰まっていると、骨盤等の関係で衝撃波が使えないケースもあるようです。 途中に硬い骨などがあるとそこに影響を与える為だと思います。 お腹の周りには基本的に背骨しかありませんので、腎臓にある間や途中で障害物のない位置ならこの衝撃波で破砕できます。
通常は大きさなどにあわせて3000発くらいを打ち込むようです。 尿管を通って落ちる事のできるサイズまで細かく破砕する必要がありますからね。 脈拍にあわせて打ちますので3000発なら1時間弱かかります。
私の経験した2種類の機械の写真が、大和病院のホームページにあります。
大和病院 設備
このページに載ってる、U/50の方が多くの病院にあるESWLの機械です。HM-3の方が強い方の機械です。
この装置の場合も基本的に痛み止めの座薬や注射などを事前に行います。 また施術中も点滴を使って何らかの薬(多分痛み止めなど)を入れ続けます。 途中でトイレなどの問題が出ないように前夜からの水分の規制、朝食の制限等があります。
衝撃波がいきなり体にぶつかるわけではなく液体や体を通って結石にぶつかるだけなので簡単に言うと痛みは無いはずです。 が、体内の狭い腎臓や尿管の中で結石に衝撃波が当たるわけですから当然その結石は動いたり振動したりします。 体内ですから結石の振動によって周囲の柔らかい組織が傷つき痛みます。 また、振動のショックによって吐き気などが起きる事もあります。
またもう一つ痛みの原因があります。 それは腹部(脇腹・後ろ側)に当てた水枕と肌の隙間に問題があります。 ワセリン?を塗る事で、この水枕は体に密着しているのですが完璧に密着しているわけではなくミクロン単位で隙間があります。 この隙間が衝撃波を打つ度に水枕が肌にぶつかる感じがあり、これで衝撃波の打ち込み口があざになる事があります。 この痛みをわかりやすく表現すると腹をプラスティックの15cmサイズのミニ定規で「ピシッ!ピシッ!」と打ってるのと物凄く似ています。
この2つの痛みが起きる衝撃波を3000回も繰り返されます。 ですから、思ってるよりも痛みもあり体内も疲れますが、思っているほどの痛みではないです。 『どっちなんだ?』って感じですが基本的には余裕で耐えられる痛みで、結石が尿管に詰まって痛んだ時の痛みに比べたら『痒い』程度です。 照射中の位置調整などであたる場所によっては『それ痛すぎじゃない?』って場合もあります(^^; 何百発も連続でチクチクピシピシ打たれる続けるので、ホッとする暇がなく『いい加減にしろ!』って言う感じの痛みの蓄積もあります。 痛みが酷い場合は点滴に痛み止め追加などもちゃんとやってくれますし、途中休憩で一息入れてくれますので『耐えられるか?』を心配する必要も怖がる必要もないです。
時間にすれば準備から施術終了まで60〜90分です。 衝撃波の発射は強いショック波による負担?などもあって、その人の脈に合わせて行っていると思います。 なので3000発であれば、施術時間だけなら60分かからないくらいですね。 私の場合は点滴に入ってる痛み止め?か鎮静剤のせいでそのうち45分くらいは眠っています(笑) 時々「痛いかも?」って目が覚めながらもうつらうつら・・・しています。
『湿式』(これも私の勝手な呼び名)です。
これはこういった専門治療を行っている病院にしかないような強めの衝撃波を照射するタイプだと思います。
この『湿式』は衝撃波が水中を進む性質を利用した原理にそのままそった物の様です。 この装置はちょっと大掛かりなので硬くて割れ難い人やでかい石の人に使うようです。 患者は下着1枚で温かいお湯(お風呂ならぬるめ)を張ったバスタプの中に入ります。 このバスタブの中に衝撃波照射装置があって、水中→体内 へと衝撃波を繰り出します。 『乾式』とは違い衝撃波の強さも強力ではっきり言ってこれは痛いです(^^; その為事前準備から結構大掛かりな、手術っぽい雰囲気です。
まず、手術と同じように前夜から食事は抜きで水分も駄目になります。 当日は浣腸などを行い手術中のトイレを行かなくて済むようにします。 注射を打たれストレッチャーに寝かされて施術室に運ばれます。 背中から背骨に向かって硬膜外麻酔の針(チューブ?)を入れ麻酔薬補充用の注射器を体にセットされます。 これは無痛分娩などに使う物で下半身が麻酔で麻痺します。 この麻酔を打つ瞬間は微妙に痛いです。 また施術中は針?は入れっぱなしです。 ちょっと本格的な手術っぽさがあります。
下着1枚で両手、両足、が動かないように変な可動式器具にベルトで固定されます。 その機械ごと自動でバスタブの中に沈められます。 状態としては半身浴のような状態です。 で、点滴も打たれながら治療が始まります。 下半身麻酔をしているにもかかわらず、これは1発1発が重くて痛く一発一発吐き気がします(-_-; が、強い麻酔とぬるま湯で・・・痛いにもかかわらず気持ちよくなり、スヤスヤと眠ってしまいます(^^ゞ 時々物凄い吐き気に襲われて目が覚めたり、休憩を入れてもらったりしながら、先生の決めた必要な回数だけ打ち込みます。 正面にモニターでも置いて映画が見れれば良いのになぁ〜 なんて思いました。
終了後は下半身が全く動かない上に麻酔で朦朧としてるので、 きちんと配慮された上で体を拭いてもらって着替えさせてもらって終了です。 そのままストレッチャーに乗せられて病室のベッドに下ろされます。 その後数時間は麻酔や疲れで完全熟睡です。
普通の人であれば『治療の痛み』、『浣腸』、『着替えや下着1枚』などの傷みや恥ずかしさを気にしますよね。 これが泌尿器科に行きたくない理由になってしまう場合もあります。
でも、、、結石の痛みを味わった事のある人なら、この痛みの原因が治ると思ったらこんな治療の痛みや恥ずかしさなんて全く気にならないですよ(^^;;
確かに施術前は初めての経験なので色んな不安があります。 でも、とにかくあの『突然襲ってくる物凄い痛み』に比べたら治療の痛みや恥ずかしさなんてなんでもないです。 これで痛みや不安が解消されると思うと自然に我慢できてしまうレベルの物です。
治療後は、排尿時にカップにとってガーゼなどを通して石が出ているか確認します。 また、施術後の最初の尿の色は完全に赤ワインの色です。 血尿の経験の無い人だとちょっとドキドキしちゃいます。 でも、中で石が振動して割れて暴れてたんですから、回りの組織が傷ついて血がにじんで出てくるのは当然です。 ちゃんとこれらの炎症に対する薬も点滴や投薬でカバーしてますので気にしないでください。後は水分を大量に取って排出を促すだけです。
退院後はなるべく毎日腹筋運動や、左右に体をひねる回転運動等を行いましょう。 腎臓や内臓が伸縮する事によって排出が促されます。 腹筋運動は私が自分で発見したというか、一番石が出るのが腹筋運動をした翌日でした。 水分を大量に取って歩いたり体を動かしたりして、石が物理的に動くようにします。 尿と共にポロポロ出てきますので、どんどん直っていく実感がありますよ(^^) この目に見えて治っていく嬉しさはある意味快感です。